MuseScoreの使い方

久しぶりにMuseScoreを起動してみたら、音符をひとつも入力できないくらい忘れていたので、このブログに簡単に使い方をメモしておきます。なにかのドキュメントを作る場合、紙でもハードディスクでもスマホでもなく、結局ブログが一番残るというのは自分の人生の中で実感したところです*1

まず、MuseScoreには編集モードデフォルト)と音符入力モードの2つがあり、編集モードでは既存の音符/休符の長さ、高さ、位置などの編集、入力モードは音符の新規追加をすることができる。

画面左上の「N」と「♫」を足したようなマークのボタンが入力モードと編集モードを切り替えるトグルボタンになっており、入力モードの時にはマークが青に、編集モードの時にはマークが黒になる。キーボードのNキーがショートカットキーとなっている。

音符入力モード

音符入力モードにすると、楽譜の上に薄い水色の枠が現れる。枠は楽譜上の別の場所をクリックするとその場所に移動できる。左右の矢印キーを使えば一つずつ左右に移動させることができる。また、マウスカーソルは青い音符に変わる。この音符の種類は、メニューバー上で選択されているもので、入力するときの最初の音符を表す。この青い音符が一見マウスでの入力を促しているようにも見え「音符の位置を指定してクリックすれば入力できるのか」と思わされるが、そういうわけではないので注意。

音符を入力するには、マウスではなくキーボードのショートカットキーを使う。画面下部に、音符の高さとそれに対応するショートカットキーの一覧が表示されるので、それを参考にすればよい。ドラムセットの場合、下表のようになっている。

バスドラム:B
スネア:A
ハイハット:G
ハイハットペダル:F
ハイタム:E
クラッシュシンバル:C
ライドシンバル:D

デフォルトではロータムとフロアタムについては、入力後に矢印キーを押すと隣の音になるので矢印キーで調整するしかない。ショートカットのキーマップは編集できるので、ヘヴィにフロアタムを使う楽曲の場合はフロアタムに適宜キーをアサインすればよい。ハイハットペダルのFはフロアタムに割り当ててもよさそう。

上段と下段の切り替え

ドラム譜は一般にペダルが下段(音符の棒が玉から下に伸びる)、パッドが上段(音符の棒が玉から上に伸びる)という風に表記しているが、入力時のデフォルトでは上段の全休符しかなく、上下段の入力の切り替えは明示的にできるわけではなく、あくまで「ハイハットペダルかバスドラムのショートカットキーを入力したら結果的に下段に音符が現れる」だけである。なので、「デフォルトから初手で下段に休符を入力する」ことはなかなか難しい。まずバスドラムを入力して、それから0で休符に変える、というのが一般的な方法になるのだろうか。

2パッドの同時押し

例えばクラッシュシンバルとライドシンバルや、スネアとフロアタムを同時に叩く場合。これはまずどちらかの音符を入力した後に、Shiftキーを押しながらもう一つの音符を入力すればよい。クラッシュシンバルとライドシンバルの同時の場合、c→入力した音符を選択→Shift + d という手順で入力可能。

1拍目から順に入力することしかできない

なお、音符入力には結構クセがあって、まず小節を選択することはできるのだが、その小節の1拍目から入力するか、あるいはその小節に予め記入されている音符を上書きすることしかできない。つまり、1拍目を入力せずに2,3,4拍目や裏拍の音符を入力することはできないし、全休符が入力されている場合、この全休符の2拍目からいきなり入力するということはできない。最初に楽譜を新規作成した場合、デフォルトは全ての小節に全休符が記入されている状態なので、最初はどの小節についても全休符を指定の音符で上書きすることから始めなければならない。なお、例えば全休符に対して1拍目に4分音符を上書きした場合、2拍目に四分休符が、3拍目に二分休符が現れてカーソルが2拍目に移る。やや分かりづらく、柔軟性に欠けて不便にも思えるが、適当に4分休符や8分休符を入力しておけばよいので別にクリティカルな問題ではない。

上にも書いたように、マウスカーソルになっている青い音符がショートカットキーで入力される長さだが、他の長さの音符を入力したい場合には、メニューバーの音符をクリックするか、下記のショートカットキーで切り替える。

64分音符:0、32分音符:1、16分音符:2、8分音符:3、4分音符:4、2分音符:5、全音符(4拍):6 

入力した後に長さを変更するためには、別の音符を選択して既存の音符を上書きする必要がある。編集モードに切り替えると、音符を上書きせずに音符長を変更することができる。

休符の入力

休符は、入力モードで音符を選択して0(数字のゼロ)を押せば入力できる。長さはメニューバーで指定した音符の長さとなる(ただ0は64分音符を表すショートカットでもあるので、どう区別されるのかイマイチ理解できていない)。

あるいは、①メニューバー中央右にある休符マークのボタンをクリックし、②さらにメニューバー左側の音符マークボタンをクリックして長さを定めた上で、③休符に変えたい音符をマウスでクリックすることで入力できる。休符に関してはクリックが使えるということらしい。

編集モード

編集モードで音符の長さを変更する。

64分音符:0、32分音符:1、16分音符:2、8分音符:3、4分音符:4、2分音符:5、全音符(4拍):6 

n連符(nは数字):音符を選択して、⌘を押しながらnを押す(⌘ n で表す)。例えば3連符なら⌘を押しながら3を押せばよい。なお、連符を解除するにはDelキーを使う。連符の連桁の上にある連符の数を示す数字をクリックしてDelキーを押せば解除できる。

画面収録

楽譜が完成したら、再生して確認して上手くいったら映像として残して共有したい。そんなときにはQuickTime Playerの画面収録機能がお手軽。ただ、普通に画面収録すると内部音声が録音されないため、Background Musicというツールをインストールして使い、PC上で鳴っている音を録音できるようにする必要がある(参考ページ)。ちなみに下記手順はMacOS上で行っています。

手順

  1. Background Musicをインストールする。
  2. Background Musicを起動し、PCの画面上部ツールバーにBackground Musicのアイコンが出現することを確認する。
  3. 「システム環境設定」 > 「サウンド」で、「入力」タブと「出力」タブでデバイスをそれぞれBackground Musicに設定する
  4. QuickTime Playerを起動し、「ファイル」>「新規画面収録」で表示されるツールバーの「オプション」をクリックし、入力デバイスを「Background Music」に指定する*2
  5. 予めMuseScoreを起動して楽譜を準備してすぐに再生できるようにしておき、QuickTimePlayerのツールバーの「5秒後に収録」をクリック
  6. 5秒経過して収録が始まったら、MuseScore上で楽譜を再生する。
  7. 再生が終わったら、PC上部のツールバーで停止ボタンをクリックして収録を終了する。

YouTubeの音声と一緒に録音する場合には、まずQuickTimePlayerで収録開始→YouTubeを起動→タイミングを合わせてMuseScoreを再生開始、という超アナログな方法しか今の所できていない。個人もしくは内輪の少数だけで楽しむ分には問題ないが、SNS等で不特定多数に公開する場合は権利関係でコケないように要注意。

楽譜のPDF化

対象の楽譜ファイルを開いた状態でツールバーのプリンタアイコンをクリックし、モーダル左下のプルダウンで「PDFで保存」を選択すると、保存ダイアログが表示されてPDFファイルを保存できる。

*1:適切に管理すれば紙は最強かもしれないが、軽い記録などの場合はブログの方がよいと思う

*2:ここで「内蔵マイク」を指定するとPCの外の音(声とか物音とか)を一緒に録音してしまうので注意