上達とは

ある一定の水準までは、ランダムに経験を積み重ねればそれだけで上達できる。

しかし、それを超えると、自分に何が不足しているかを分析し、それを補うための意識的な訓練をしなければならなくなる。

なんでそういうことになるかというと、一つにはたとえばただそれに触れているだけでは、現実的に自分の弱点を補うだけの経験を積むことができないから、という原理的な問題がある。

また、一つには人は忘れる生き物だからだと思う。全ての経験を記憶し、そのいずれの記憶にも定数時間でアクセスできるような仕組みであれば、人はランダムな経験から的確に学び取ることができるのかもしれないが、そうでないから、人間は同じ失敗を延々と繰り返し続けるのである。

いずれにしても、「意識的な訓練」をする前提として、上にも書いた通り、「自分に何が不足しているのか」を分析する振り返りが必須となる。これをしないと、前述の理由より、人はその上達をぱったりと止めてしまう。