「かんなぎ非処女疑惑」

自分は「かんなぎ」は漫画の一巻だけを買って、(ミニスカ以外には)ピンとこなかったので放置していたのだが、唐突にその漫画がこんな「疑惑」で盛り上がっていたことを知った。ネットで状況を概観した感じでは、まだ慌てるような時間じゃない気もするのだけど、もう少し確定的な何かがあるのかもしれない。
いずれにせよ、そういう設定だったとする。正直自分はナギのファンでも何でもないのだけど、そのときの彼らの気持ちはわかる気がする。処女だとかそうでないとかいった記号的な問題では決してない。それは『自分の心に直接訴えかけてくる存在であった(端的に言えば、「恋心を抱いていた」)女性について、「他の男に抱かれていた」という裏付けのある事実を知ってしまった時の気持ち』だ。その女が「実在」しようがしまいが関係あるだろうか?(そもそも実在とは何だ?自分の心にとって存在するものこそが実在といえるのではないか?)胸の奥から毒の塊が湧きあがってくるような、不快とも嫌悪とも嫉妬という言葉でも表しきれない、余りにも強烈で苦しい激情。しかも、その気持ちはどう足掻いても打ち消せない。冷徹な現実が、否定しようもなく自分の前に立ちはだかっているからだ。
逆に僕としては、ナギを愛していた人たちが嘆く様をみてネタにしている気持ちがわからない。わかりたくもないが。彼らは、どんな感動的な小説でも、ドラマでも、「実在していないのだから」「作りモノなのだから」といって、何の感情も起こらないというのだろうか?