村上隆

なぜかTwitterでバズっていたのでちょっと思うところを。
村上隆氏のフィギュア作品、16億円で落札 ニューヨーク 2008.5.15 15:18
痛いニュース(ノ∀`):村上隆氏作のオナニーする少年のフィギュア、16億円で落札・・・米
芸術作品ってのはだいたい知名度とかでランクがあって、それと作品がどの程度「大作」かで値段なんてだいたい決まっちゃうんじゃないかなと思っていた。300万〜400万ドル、というのがまさにそういう基準を元につけられた価格なんではないのか。フィギュアとしての完成度はもちろん大きいとは思う。

専門家の意見を聞いたことがないけれども、「マイ・ロンサム・カウボーイ」というタイトルと、その像からいろいろと感じるところはある。まず何よりも、「精がつく御利益がありそう」なことは間違いない。まあ、性生活充実のためのお守りみたいな?
また純粋に性的な意味での鑑賞に堪える作品でもありそうだ。普通の男が見て性的に興奮を覚えることはないだろうが、女性やそっち系の趣味のひとがみたら好きな人は好きなんじゃないかなと。そういう意味ではエロフィギュアと同じ意義を持ちうる。そもそも、フィギュアというメディア自体がそういう意味合いを含んでいる表現形態だろうから、そういう意味でも正統にフィギュアであると思う。
ただ、ただのエロフィギュアでないことはそのサイズからしても明らかだし、このアニメの世界からそのまま出てきたような少年の髪型は少年漫画の登場人物のようで、またその(瞳はともかく)生き生きとした表情も、裏の複雑な感情などは感じさせないシンプルなものだと思う。漫画世代には「わかりやすい」表情だろう。瞳の表現は、それとは別に考えるべきだろうが。
そして一番のポイントである精液の表現。そもそも精液が縄のようになっているというだけでもそのオリジナリティは評価されるべきだと思う。もちろん、このように液体が空中を飛ぶときの描写が丁寧にされていることも含めて。そして、まっすぐ前を向いたその瞳で、彼が見ているものは何なのか。その縄で、何をとらえようとしているのか。この少年は、実はアニメの登場人物ではなくて、アニメを見ている我々の姿なのではないか。
いろいろ想像させるものはある。実際、高い価値を持つことは間違いないだろうし、芸術ではないとか、ましてや村上隆が日本の恥だとか、そんなことはあり得ない話だ(とかマジレスするとアレなのか)。