年賀状の変質

年賀状は年々その存在のアピールに必死になっていっているような気がする。
これもまたウェブのひとつの影響なんだろうな。
年賀状というのはプリンター関連の業界にせよ郵便局にせよ欠かせないイベントだから、これが衰退していくとしたら大打撃になるのだろう。

いくつか前のエントリで年賀状のことを書いたが、彼らの必死のアピールが僕に対しても奏功したことの表れなわけです(←
で、今回コンビニで絵柄がプリントされている年賀状を購入してみたのですが、年賀状にプリントされていた文言は「この一年もたくさんのしあわせがふりつもりますように」とか「大きなしあわせやって来ますように」というもの。
年賀状はいつからこう直接的に“幸せを祈る”手紙になったのか?これではまるで短冊か初詣の願い事じゃないか。しかし別に僕はそれを否定するつもりは全くなく、むしろ何ともあたたかみのこもったメッセージカードだと思ったので9枚程購入(← 多分これをもらった人は少し幸せな気持ちになれるんじゃないだろうか。いやマジで。

年賀状を単なる「年始の挨拶」ではなく、「メッセージカード」あるいは「贈り物」という観点から捉え直し、その側面をプッシュしていく方向転換だとすれば、それはかなりクリティカルな発見なのではないだろうか?それはいわば、年賀状が持つ電子的な情報伝達手段では決して代替できない「モノ」としての側面の再発見である。

ウェブ時代は、今までは一つのモノとして切り離せなかった「情報物」が「情報」と「モノ」に分離していく過程でもあるかもしれない。「情報物」は否応無しに、「情報」が独立した後の「モノ」の意味の検証を余儀なくされているのだ。