「明日の神話」

先日公開されたという岡本太郎の作品である巨大な絵「明日の神話」を、渋谷マークシティに観にいってきました。最初ニュース記事についていた画像だけを見て、なんだか古臭くて尖った感じの印象だったので、「渋谷には、ましてやマークシティには似つかわしくないなあ」と思っていたので、実際に見たときの印象はどうかなというのが気になったこと、またじっくり絵を鑑賞したいという気持ちがあってかなり楽しみにして見に行きました。

\でけえ!/

エスカレーターを登って銀座線の方向に歩いて行くと、壁に設置された絵が見えてくる。
まず、その大きさに圧倒される。前に考えていた「古臭い」とか「渋谷に似つかわしくない」だとか、そういうこざかしいような考えは吹き飛ばされてしまう。このような大きな芸術作品を見たことがない。縦と横だと横の方がだいぶ長いのだけど、縦の長さは人二人分くらいある。細かいスペックについては何の情報もなかったと思うが、4メートルくらいあるんじゃないか。横はその何倍もあり、まず近くでは「視界に収まりきれない」。視界に収まらない絵というのは、そもそも既存の絵の概念を超えている。これをいったいどういう道具を使って描いたのかということも見ているうちに気になったが、そんなことは枝葉に過ぎない。心が少々興奮状態になりつつあるのを感じつつも、まずは何が描かれているかを見る。
ちなみに、周りには絵を見ている人が結構人がいて、携帯やカメラを構えて写真を撮っている人もちらほらいる。3階の通路からちょうどここが見えるようになっているのだが、その通路から絵を見ている人がかなり多人数いたのに驚いた。
とはいえ、JR、銀座線と井の頭線を結ぶ通路の壁に設置されており、そして休日の渋谷である、当然行きかう人々の数は多く、あまり自由にじっくり鑑賞することもできない。ことさら端っこの方については、階段の端っこに立って見なければ真正面から見る場所もないといったところ。公共の場に設置された作品にはそういう意味での困難もあるな。

何が描かれてあるのか?

前の情報で、「広島に投下された原爆が爆発する瞬間を描いた」ものであるという情報は得ていた。もっともそれがどこまで正確なのかは不明だが。中央に大きく描かれた、炎を纏った、人の骸骨に似たものは、明らかに禍々しい死のイメージそのものである。暗い色調で描かれた背景と、そこに漂う雲のような、また炎のようなものは、確かに原爆の爆風と、その熱により炎をあげて燃えさかる家々と人々をそのまま表しているように思える。
ただ、中央に描かれたものは確かにそうなのだが、視界を左側、また右側に移動させると、また違うものが描かれている、これらは一体、何を表しているのか・・・。
(続く)