ナウシカ

ナウシカの原作を読み終わった。

正月に歌舞伎のナウシカをテレビで見て、非常に感銘を受けると同時に、もしかしてここにすべての解が存在しているのではないか、という仮説が浮かんだ。迷わずコミックス全巻を一括購入した。

正直、まだストーリー展開として理解できていないところは多いと思う。しかし、作中で描かれた諸々のエピソードや設定、キャラクターなど、個別の要素には「衝撃」と表現してよい程度のインパクトを受けた(←トートロジーだろうか…)。ナウシカ読解へのモチベーションが高まっている。

エヴァの生理的に受け付け難い「気持ち悪さ」は庵野監督の性癖に基づくものだと思っていたが、もしかしてそれは宮崎監督由来なのではあるまいか、宮崎監督へのリスペクトがエヴァの気持ち悪さに繋がっているのではなかろうか。

そう思わせる計り知れない気持ち悪さが、ナウシカという優しく、気高く、美しい姫を通して描かれているというのは実に奇妙な話だが、思えばジブリの劇場版の作品はだいたいそんな感じではあった。

人は自分の知らないものに触れると好奇心を刺激されるものだろう。
いわんや、それがまだ見ぬ真理を示唆しているとしたら。

この腐海のごとく、多様に生い茂る登場人物たちが絡み合う猥雑にして高貴な世界は、まるでまだ見ぬ聖書であるかのように、輝いて見え、たまらなく魅力的に映るのである。