緒形拳逝く

著名人が亡くなるなんてことは珍しいことではないんだけど、なんだかとてもショックです…。結構小さい頃からコンスタントにテレビで見かけていた俳優さんだったからかな。いろんな表情を思い出せる気がします。
それに輪をかけてショックだったのが、彼の逝去を報せる記事に載っていた、別人のように「おじいちゃん」になってしまった彼の写真。2005年に、父親と一緒に「蝉しぐれ」という映画を見に行って、主人公の父親役を演じていたのは確か緒形拳で、渋い演技に引き込まれた記憶があったのだけど、そのせいぜい3年前のスクリーンの上の彼と、その写真に写っていた頬もややこけ、表情を失ったかのような白髪の老人が同一人物とは到底思えなかったのです。
変わり果てた姿というだけでなく、人間が老いることの意外なまでの早さに、ショックを受けていたのかもしれません。もう30年生きてしまった自分と、その30上の自分の両親。
後で、8年前から肝炎を患い、そして肝がんへ移行し、闘病生活を続けていたという話を目にしたときは、非常に合点がいった気はしましたが、だからどうということもありません。
ご冥福をお祈りいたします。