先日母の還暦祝いで、ミシュランガイドに載っているフレンチのお店を予約して行ってきました。
構成している素材の味・食感が絶妙なバランスで一体となり、全く未経験の味わいを実現している前菜、上品で慎ましく、かつストレートな美味しさの一歩先をいくメインの魚料理、プレートとソース含めて全体に幾何学的なデザインを施されたデザート、店内のデザインまで含めて調和した見た目の美しさ、サービスの丁寧さ、どれも日常とかけ離れた空間に飛んで行った気分になりました。1万円のコースでしたが、飲み会２〜３回分と思えば案外リーズナブルなんじゃないかと思います。あ、そういえば「プレデザート」のりんごのお酒のゼリー＋ヨーグルトのムース＋なんとかベリーのグラニテ、の三重に重ねて小さいグラスに入ってたのがめちゃくちゃ美味かったです。これはストレートの美味しさの一歩先なのでこの表現で十分問題なく通じる気がします。ｗ
前菜に、甘エビのタルタル＋メロンを使ったソース、というのがあり、これが独特なインパクトで印象に残っています。正直理解不能な味でしたが、複数のスパイスとメロンとタルタルの味わいが無理なく共存して互いを引き立てていた、気がします（笑）
正直余りにも新しい味で、自分の知っている文脈のどこにも載らない味といえばいいんでしょうか。スープ？タルタル？デザート？ソース？言葉で分類することができない、そんな一品です。
カジュアルフレンチの料理本を昔買ったことがあって、その中に「きゅうりのヨーグルトスープ」なるものがあって、きゅうりをミキサーで砕いてヨーグルトやスパイスと混ぜた冷製スープなわけですが、材料自体はそこそこ簡単に揃えられたので実際に作ってみました。そのときの「！？」という印象と、一部似ているところがあります。
それにしても、料理もここまで来ると「芸術」という表現も違和感なく受け止められますし、したがって、そこから受ける印象についてさえ、他の芸術との比較が可能に思えてきます。
（追記）
たとえばジブリのアニメ映画とか…。＜他の芸術 音楽でいうとどっちかいうと現代音楽っぽいかな。あと俳句とか。
