車のUI/UXについての感想

どうしてもウインカーレバー(ターンシグナルスイッチ)が気になってしまう。ウインカーレバーはなぜか車ごとに癖がある。人の好みがそれぞれということだろうか。某コンパクトカーの場合は、右折ウインカーを戻したら行き過ぎて左のウインカーが勝手に入ってしまい、ちょうど止めるための塩梅がわからなくなった。ウインカーは使い方を誤ったら人に迷惑をかける機能だし、ひいては事故にも繋がる機能なので、こんな些細な使い勝手で混乱させないでほしい。

ウインカーレバーが硬すぎて、固いウインカーを入れると今度は逆にやたら回りやすいライトのスイッチが勝手に入ってしまう、という謎設計もあった。これだけで、もうそのメーカーの車には乗りたくなくなったし、上記コンパクトカーのメーカーについても同様の気持ちを抱いた。他で飛び抜けた側面があるならいいんだけど、リアシートも狭いし、ウインカーの音も小さくて聞こえづらいし、コンパネのウインカー表示もハンドルで隠れて見づらいし、しみじみ自分向きではない車だな、と思った。

ウインカーの音が小さいのは、もしかしたら音量のせいで道交法にしたがったウインカーの使い方を避けるユーザーに配慮しているのかもしれないが、注意しないとウインカーが点灯しているのかどうかわからないような音量では困ってしまう。それならワンタッチ形式にしてくれた方がよい。

同じようなことを感じている人もいる。

トヨタライズ(ダイハツロッキー)について質問というか、愚痴という... - Yahoo!知恵袋

本当に慣れないと使いづらいですよね。
私もライズに乗ってまして、最初は右に車線変更するのに右に出し、車線変更終わったら戻してしまう動作をして左のウインカーがつき、また戻そうとして右がつき、挙動不審になってました。

#車種は違うのに全く同じ感想w

それにしても、車にはこれまで何百万、何千万というユーザーの利用事例の蓄積があるはずだ。世界的には何億、何十億というオーダーになると思う。それなのに、なぜこんな、「車に乗ったら100%使う機能」のユーザビリティがこんな悪くなり得るんだろう。ひとつには、以前も書いたが、家電同様「車は一度買ったら良くも悪くも慣れてしまう」ということ。

ちなみに上記回答は、ワンタッチウインカーがほしい、という要望に対するリプライ。メーカーも、このユーザー同様「わざわざ車を作ってやってるんだから有り難く思え、多少の不便くらい自分でなんとかしろ、そうでないやつは運転止めろ」という姿勢なのかもしれない。

カーシェアの普及によって、ユーザーは様々な車種をメーカーの枠を超えて気軽に利用することができるようになった。レンタカーよりも遥かにハードルが低くなるので、今後は「初見利用の感想」が増えてくるだろう。そして、新規車種を購入する際に、まずはカーシェアで試乗してみるというユースケースも増えてくるはずだ。ユーザーは、嫌な思いをした車種やメーカーでは車を買わなくなる。この流れで、「買ってくれれば慣れてくれる」というメーカー側の期待もそろそろ終わってくれると期待している。それとも、自動運転の普及が先だろうか?

とはいえ、ブログで文句を言っても(何も、永遠に)変わらないので、レンタカー/カーシェアユーザとしては、ウインカーレバーの使い勝手については出発前に一度しっかり確かめておき、慣れておくことを習慣にするのがよさそうだ。

SUVとポンコツカーナビ

初めて運転したSUV*1、インパネが全部ディスプレイになっていてカーナビの画面が表示されている、かっこよくてまるで近未来の車みたい、とナイーブに感じてしまったが、カーナビを使ってみてそのポンコツ振りにがっかりの反動が凄かった。外観が豪華だった分、逆に残念感が強調された。

普通の道だから4WD感なんて全く感じないし、渋滞した高速道路でSUVであることの意味なんて何一つなかった。

正直、今の自分にとっては、軽自動車で十分過ぎてそれ以上の価値はほとんどいらない。あえて言えば、事故にあったときに生存率を高める機能があれば嬉しいかもしれないが、SUVとしても僕みたいなドライバーを乗せたいとは思わないだろう。

ニッポンレンタカーの車が共通で装備しているカーナビは有能で、初心者でも非常にわかりやすく、これまでほとんど道を間違えることがなかった。だから高速道路やルートの予習など完全に不要だった。しかし、全てのカーナビがそうとは限らない。カーナビがなくてもたどり着ける程度の予習はやはり必要なのだろう。

コンピュータ制御だといろいろ蛇足的な機能が多いのも困る。今回のSUVでは、エンジンを切った後にもなぜかディスプレイに何の変化もなく、ディスプレイを消すことができなかった。カーシェアの利用を終了して返さないといけないのに、正しく電源が切れていないのは困る、と少々焦った。何度かエンジンをつけては切りを繰り返したが、変わりない。何がトリガーとなっているのか、と思ったが、どうやらドアを締めて「利用を終了」ボタンを押下したら切れた。

確証があるわけではないが、おそらく「車の外からロックをかける」というアクションがトリガーとなって電源が切れるんだろうと思われる。それまではエンジンを切ってもライトが点き続けていたりする。

これはPCにも共通することだが、電源ボタンを押下しても裏で何か動いているというのはあまりセンスがないんじゃないかと思ってしまう。AppleMacOSも同様で、スリープしても裏でがんばって動いていて、翌朝になってもまだPCが熱い、なんていうこともある。設計者はアホなのかな?と思う。どうせスタートボタンを押下すれば起動するんだから、ボタンを押してエンジンを切ったら、ディスプレイの電源も切ってしまえばいいのだ。何か動かさなければならない事情があるなら、せめてユーザ視点からは切れているように見えるようにしてほしい。もちろん、慣れれば問題ない。しかし、「結局慣れ」としか言えないUIは、UIの設計者としては敗北宣言だ。世の家電や自動車がアナログからデジタルに変わっていく過程で、UIの品質はどんどん低下しているように思えてならない。

*1:後で確認したらSUVじゃなくてステーションワゴンだった。

カーシェアとビル駐車場での混乱と首都高

初めてのカーシェア

近所の駐車場にカーシェア専用の駐車場があったので気になっていた、美容師さんがカーシェア使うと言っていた、などなどの理由で今回初めて某カーシェアを利用してみた。数駅離れたショッピングセンターに行ったのだが、1.5時間利用して2000円程度で、かなりお手軽でコスパ悪くないなという感想。24時間、空いてさえいればいつでも使えるのも魅力。

スマホから(ウェブサイトにあるボタンから)解錠/施錠できるのが新鮮で、そういうAPIもあるんだな、と思ったが、シンプルなものではなくてデジタルキーという技術が使われているらしい。利用する側としてはそれを全く意識する必要なく、セキュリティが担保されているというわけで、有り難い話だ。

トラブル時にどうするかは予めわきまえておく必要がある。車体感覚は少しずつ身につきつつあるとはいえ、事故や想定外の事象は起こるものだ。トラブルシューティングはトラブルが起こる前にしておく必要がある。事故った場合、返却が遅れた場合、故障の場合など、それぞれどうすべきか。

返却が遅れそうな場合

  • 延長手続きをとる。
  • もし延長できない場合はサポートセンターに電話で連絡する。
  • 遅れた場合には時間の2倍料金が請求されるらしい。

事故・故障の場合

  • 安全な場所に車を移動させてサポートセンターに電話で連絡する。

利用開始手順

  1. まずは、スタンドサインを車が出られるように車の前から移動させる。
  2. 予約内容と車を確認して、ウェブサイトもしくはアプリから「利用開始」ボタンを押下して解錠
  3. 車の周りの傷等確認
  4. 運転席に乗り込んで、助手席の前のボックスの鍵を取り出す
  5. 運転の準備をして駐車場から出す(場所によっては一旦車を停めて、スタンドサインを駐車場中央に戻してから出発する)。

返却手順

  1. 駐車場に駐車し、ライトを消してドアミラーを閉じ、エンジンを止める。
  2. 鍵をグローブボックス内に返却して「返却」にセットする
  3. 窓の閉め忘れや忘れ物等がないかを確認、ゴミが落ちてないかを確認*1
  4. 車から降りてドアを締め、サイトもしくはアプリから「利用終了」ボタンを押下して施錠
  5. スタンドサインを車の前に戻しておく。

商業ビルの地下駐車場での混乱

駐車場の入り口が思いの外分かりづらかった。事前に商業施設のサイトで場所までしっかり確認していたが、それでも果たしてここでいいのか確証が持てない。ウインカーを光らせるところまではやったが、万一全然違うところに入り込んでしまったら事故の危険もある。後続車が待っているようだったので、ウインカーを消して一旦はまっすぐ進んだ。他の駐車場を使うしかない。

そういえば、地方への旅行先でのレンタカー利用の経験が大半の自分にとって、ビルの屋内駐車場を利用したことはこれまで殆どなかった。東京でいろんな駐車場を積極的に利用して、経験を積むしかない。

次に行った駐車場は入り口が比較的わかりやすかったのだが、B1Fの駐車場はどれも企業名の札が掲げてあり、いわば定期利用のスペースだった。どこに停めようかとゆっくり回っていたところ、一般車はB2Fという看板が目に入った。降りるための場所を探さなければならなかった。

用事を済ませて、次はB2Fからどうやって上がるかで悩む。地上になんとか出たところでも、料金所で微妙にハマったり、どこから公道に出るのかもわかりづらいなど、そこそこ難しいゲームをやっているようなストレスはあった。なるようになれというある程度の開き直りは必要だろう。流れを無視して道の途中で止まってしまうのは、一番よくない

さて、そこで一つ用事を終えて次の場所に移動したが、それまでのごく短い間にも、「右折禁止の道で右折してしまう」という凡ミスを犯してしまった。右折時に対向車線の流れが途切れるのを待機し、いよいよ右折というところで対向車線の直進車からクラクションを鳴らされた。もしかしてやってしまったか*2と思い後からGoogleマップで経路を調べてみたら、最短であるはずの右折ルートを示さず、遠回りして対向車線から左折するルートを提示した。ストリートビューで確認したら、道路の脇にこんな道路標識があった。

気づかなかった…。

教訓:「曲がる時には左右確認する以前に標識を確認せよ

都市部の道では、常に右折禁止の可能性を考えておく方がいいかもしれない。

もちろん、今回のケースでは右折レーンを表す道路標示もなかったわけだし、下図にもあるようにいかにも直進のみをアフォードするような破線が描かれていたわけで、運転に少し慣れている人なら、初めて来た道であっても右折禁止であることはすぐに気づいたことは間違いない。右折禁止であることはそれなりに全力で示されてはいるのだ。

改めて振り返ると、自分は自転車で相当車道は走ってきているのだが、自転車の場合、一方通行は「自転車は除く」パターンが多く、また、右折はそもそもできない(二段階右折が必要だし、横断歩道がないところで対向車線を横切って右折することは相当の田舎道でもない限りあまり現実的ではない)。駐停車禁止も少なくとも交通標識のものはほとんど関係ないし、速度規制もほぼ無縁の世界だ。したがって、自転車だけ乗っているのであれば、標識を特に意識しなくてもほとんど問題なく乗れてしまう。改めて車道を意識して自転車で走ってみると、標識の多さに驚かされる。

自動車の運転時には以下について注意することにしよう。

  1. 道路標示・標識をしっかり見るように意識すること
  2. 曲がるときには左右をしっかり確認すること
  3. 動いている時には1秒以上前方から目を離さないこと

なんとか道路標識を地図で事前に把握できないものか。しかし多くの地図には道路標識は描かれていない。一方通行くらいは地図上についている矢印でギリわかるにしても、ピンポイントに右折を禁じているかどうかはわかりづらい*3。道路標識を網羅しているデジタルマップがあれば欲しいのだが、ちょっと探した限りでは見つからなかった*4。確実なのは、カーナビに目的地を入力して提示されたルートに従うことだが、カーナビに目的地を入れるのは面倒くさい(最近の車はアレクサみたいに声で入力できたりするんだろうか?(ソフト)キーボード入力はサポートし続けるとして、音声入力は全デバイスサポートしてほしい)。Googleマップで経路探索も上述のように信頼できそうだ。

次の商業施設も、B2Fまで下る必要があった。ここは幸い1時間無料だったのはありがたかったが、上り専用の坂がみつからずしばらく探すことになった。どうやら上り下りの2車線が同じ道に含まれていたらしい。屋内駐車場は出入りする車が多いわけではないので、前を走る車を参考にできず、自分で解決しなければならないというのが一つ難しい要素だ。

駐車場では一方通行のケースも少なくない(PA等の経験から)と思ったので、B1Fに上がった時の右折/左折でも少々迷ったところもあった。意外に標示がわかりづらい。最初のビルでは、上がったところにデカデカと左向きの矢印が書いてあったのでわかりやすかった。道も狭いので、なんでもないT字路でバックで調整するハメになったりした。ハンドルの切り方についても練習したかったのだが、正直その余裕は全くなかったところも含め、我ながら初心者ムーブ過ぎる。

車のUIに文句を言いたいことは多いが、標識・標示に関しては全く言い訳はできない。規格は全国で統一され、視認性やわかりやすさについては一度勉強すれば永久に通用するものだ。今後心を入れ替えて学び直します。

首都高

都内住みで車で旅行に行くと首都高は否応なしに通るものだが、都内の移動で首都高を使ったことはなかった。

  • 風景がよい。普段見ている都内の景色が違って見える。非日常感がすごい。ゲームの背景みたい。
  • 狭い。場所によっては高速道路とは思えない狭さ。というか自動車専用道路なのか。
  • スピード出せない(出したら危険!)
  • カーブが多い。コーナーというよりカーブ。
  • いたるところに出口がある。
    • 車線が基本的に出口 or 本線という感じで、「追い越し車線」という概念がなさそう。追い越しってしていいのか?
  • 都内のいたるところにICがある。
  • 謎の爽快感がある。

*1:後部座席の窓の締め忘れに注意

*2:ラクションは危険よりも交通ルール違反を表すケースが多い印象

*3:別に右折禁止だからといって、右側の道が一通とは限らない

*4:マジなんでなんだろう。メンテは大変だろうけど、この情報がないとカーナビは作れないよな…。それなりに高価な情報ということだろうか

某ハイブリッドカーのUIが微妙だった件

レンタカーで借りた車が人気のハイブリッドカーだった。確かに見た目は悪くないし、操作感も重厚感があり、かつ静か。ただレンタカーユーザーとしては、運転とは別のところで苛つく点が多かったのでメモしておく。

車のコンパネのUIなんてだいたいわかりづらいもので、そのくせなぜか車種ごとに微妙に違いがあり、レンタカーユーザー的には違う車種を借りるたびに逐一フォローするのが面倒くさいものである。何度も借りて一通りパターンを経験できたので慣れてきたが、その中でのこのUIはちょっとショックだった。

  1. エアコンのUI
    真夏の車内で熱風が延々出続けて、下手したら気を失うところだった。もしかして暖房入ってる?と思って、スマホで「エアコン ヒーター 区別」でネット検索したところ、公式マニュアルが出てきたが何もわからない。
    左に「PUSH A/C」右に「PUSH AUTO」というつまみがあるのだがこの関係がよくわからない。中央のディスプレイの表示と挙動から、左側のつまみは風量、右側のつまみは温度を設定するらしいということはわかったのだが、風量はともかく、温度が全く出てくる風の温度と一致していない。「AUTO」を押すと、適当な風量/温度に設定してくれる、ということなのでAUTOを押していたが何も変わらない。

    「新型ノートe-POWERのエアコンはパワフル?【後部座席でも快適か確認してみた】」https://tesdra.com/noteepower-aircon より引用
    もしかしたら、A/Cボタンを押さないと、AUTOボタンを押していてもAUTOは機能せず、単に送風に過ぎなくなるのかもしれない*1が、A/Cボタンを押さないと冷房にならないのに、右の温度つまみを回すと温度があたかも調整されているかのように表示されているとしたら、その表示は何の意味もないどころか、普通に「嘘」だ。温度はエアコンに従属した機能なのだから、エアコンがついていないのに温度が表示されるこの仕様は明らかにおかしい
    ついでに言うと、「AUTOボタン」と「温度つまみ」、「A/Cボタン」と「風量つまみ」それぞれの機能も独立しており、意味的にもほとんど関係ない。何の関係もないボタンとつまみをどうして一体化させたのだろうか?
    確かにエアコンのボタンが多過ぎるのは問題なのだが、それによって少しでもわかりにくくなったら本末転倒である。じゃあどうすればいいのか。エアコンの機能自体に進歩はないのであれば、過去のUIを真似ればよい。
  2. ウインカースイッチとライト点灯操作のコンフリクト
    ウインカースイッチが妙に固く、ウインカーを点灯させる際にライトのつまみが勝手に動いてしまう。AUTOに設定していたはずが、なぜか点灯になっており訝しんだが、どうやらウインカー操作の際にうっかりそうなってしまったということ。
    それにしてもこのレバーは固すぎるのでは?使い込んでいけば柔らかくなるもの?固いからスイッチを入れるのに力を入れる必要があるのだが、その際に回りやすいライトのスイッチが回ってしまう、というなんともお粗末な連鎖。
    ワンタッチターンシグナル」はかなり使い勝手がよかった。
  3. ドアミラー操作ボタンのミスリーディングなアイコン
    こんなクソどうでもいいところで戸惑ってしまった。下図参照。なぜ両方向の矢印にしなかったのか。

     

    ドアミラーは基本的に車が動いている時には常に開いていないといけないのに、それを手動で開かせている時点でおかしい。エンジンをつけたら勝手に開いてほしいし、エンジンを切ったら閉じてほしい(実際、ロックをかけたら勝手に閉まる車もある。ドアミラーを閉じる設計にする理由はここ参照)。もしかするとドアミラーを開いたら車庫に入れないとか、そういった環境を考慮したのかもしれないが、閉じたいときには手動で閉じる機能をつければいいだけの話だ。

  4. ハンドブレーキのON/OFFを示すランプの点灯/消灯のタイミングがワンテンポ遅れる。
    一般的なハンドブレーキレバーの名残で、引けばブレーキがON、押せばOFFになる。ハイブリッドカーはこういうタイプなのだろうか。
    ただ悪いのが、ハンドブレーキについてる表示灯の点灯が操作からワンテンポ遅れること。体感1秒くらい遅れてるような気がする。一瞬、ちゃんと利いてないのかと思って、逆方向にブレーキを引いてしまう。「操作したのに操作できていないように見える」仕様は非常にストレスフルだ。設計者は、インタフェースに関するフィードバックの重要性*2については知らないのかもしれない。物理のハンドブレーキであれば、上がっているか下がっているかは一目なので非常にわかりやすい。ブレーキを引いた時の手にかかる力も、ブレーキを外した時のスッと倒れる感じも、いかにもブレーキをかけた/外した感とリンクしていてわかりやすい。これは否応無しに発生する物理的なフィードバックだが、コンピュータ制御にするときに、このことを強く意識していないと容易に使いにくい、人間向きでない機械に変わってしまう。
    ちなみに、他社の車(OEM車ではない)にもほぼ同様の仕様のものがあった。部品が共通だったりするんだろうか。

     

ちなみに、後部座席も非常に狭く、チャイルドシートを載せるスペースもギリギリだった(他の車では運転席の真後ろに設置していたが、それだとスペースが足りなかったので、誰も乗らない助手席のシートを最大限前にずらしてその後ろに設置した)というのも、UIではないがマイナスポイントの一つ。

車に限らず家電製品にも言えることだが、UIの多少の酷さは相当酷いものでもない限り、何度か使っているうちによくも悪くも慣れてしまう、ということがある。つまり、購入者はこういったUIの劣悪さに対して比較的寛容であることが想像される。こういうエントリを書いていると、今にも

「ドアミラーのアイコン?そんなの一度使ったらわかるだろ?そんなところに力を入れても、売上は変わらないよ?」

という設計者の声が聞こえてくるようにも思える。一度使ったらわかるし、購入者にとってはそれは間違いないだろう。ただ、レンタカーユーザーにとってはその「一度使った」時の印象が全てだ。事実、自分としては上記体験(といっても、上記の4点に関する操作の都度不快な気持ちにはなったのだが)を通じて、このハイブリッドカーを設計したメーカーのUIについての知見や価値観が、ある程度わかってしまったような気持ちになった。

メリットである燃費の良さもガソリン価格の高騰のせいであまり享受できず(10リットル入れただけで2,000円は高い)。残念な車体験となってしまった。

*1:A/Cを押したところで、最初は熱風が出てくる不具合的な挙動もあるらしいが…

*2:cf. 例えば、第3回「ユーザへのフィードバック」 | 組み込み技術者のためのユーザビリティ基礎講座 | HCDコラム | HCD-Net

中央分離帯ありの道路の転回(=Uターン)について/左折レーンが2車線並んでいるときに、どちらを選ぶか問題

中央分離帯のある道路の転回について

web.archive.org

↑これが一つの結論ではある。標識さえなければ、どこでも転回は可能。

(ちなみに標識がある場合、道路標示にも転回禁止の標示がオレンジ色で描かれていることが多いらしい。)

質問者の写真を簡略化して図示したもの。①と②は優先道路を走る車の、非優先道路との交差点における転回を表している。①は右折レーンあり、②はなしの場合。

 

Uターン禁止の理由は、カービュー!の以下の回答が参考になる。

転回禁止の交差点を転回している最中に事故が起こる事例は結構あります。

原因は転回する車が1回で回り切れずに切り返すからです。対向車線の車はそのまま転回していくと思ってスピードを落とさずに直進していったところを、もたついて転回を1回で出来なかった車に追突するという事故です。

国道の2車線や3車線の交通量が多い道路は、ほとんどが転回禁止になっています。その代わりにUターンゾーンというのが、ところどころに設けてあります。

要するに、転回は案外難しくて事故の原因になるということ。

転回する=直進方向が青信号=対向車線も普通に車が直進してくる、ということなので、交通量が多いところで右折レーンに入った車が転回しようとして車の途切れるのを待っていたら、後続車はその信号では右折できないかもしれない。まして、転回途中で切り返していたら、直進してきた車に追突される、という危険は大いにある。

片側が2,3車線あるような道路は、スペースは十分にあるので狭い道路よりは転回しやすいが、車線が多いというのは要するに交通量が多いということなので、そういう意味では狭い道路以上に転回が難しいとも言える。上記で「国道の2車線や3車線の交通量が多い道路は、ほとんどが転回禁止になっています。」というのはまさにそういう理由だろう。

もちろん、時間帯で交通量は大きく変わるし、同じ道路でも混雑しやすいエリアとそうでもないエリアがあるだろうということで、場所によっては転回禁止の標識がないところ、また時間帯で転回を許可しているところはあるようだ。

左折レーンが並んでいる場合にどちらに入るか問題。



このように左右に走る広い道路に下の道路から入るときに、左折レーンが2車線並んでいたとする。このときにレーンを選ぶ基準は何か?

  1. 左折した直後に右折する場合:右側の左折レーンに入る。
    (その方が右折レーンに入りやすい)
  2. 左折した直後に左折する場合:左側の左折レーンに入る。

直進する場合はどちらでもいい。

もし、左折直後に右折するのに、左側の左折レーンに入ってしまったら、左折直後に2車線車線変更する必要があり、場合によってはうまくレーンに入れないことになる。

こういう標示がある道路はたいてい交通量が多いので、途中から予定変更が非常にしにくい。計画的に入るレーンを決める必要がある。

 

東京都現代美術館

アーカイブ

半月前にはレンタカーで栃木まで行き、先週にはやはりレンタカーで実家に帰ったなどと結構旅行めいたことをしていたため、特にこの三連休には事前に予定を立てずにいたが、やはり連休となると普段ではできないことをしたくなる。そこで連休前日にレンタカーを調べてみたら、なんと全て予約されていて一台もなかった(笑)。

地方の人は知らないかもしれないが、都内のレンタカーは休日には大人気なのだ。

ということで、公共交通機関を使って都内の美術館に行ってみることにした。

現代美術について知識があるわけではないが、既存の枠組や常識が通用しない作品群に触れることには知的興奮をかきたてられるので結構好きなのだ。

しかし、改めて現代美術館に行ってみると、知的興奮以上に、心のデトックスとしてがっつり機能してしまい、戸惑っている。訳がわからない作品だらけ、というわけではない。ただ、上記の「あ、共感とかじゃなくて。」展においては、アーティストがエネルギーを注いで作り上げた映像であったり空間であったり、その作品が展示されているわけだが、それぞれのアーティストはコンセプトもモチーフも表現方法もバックグラウンドも全く違い、ただそこに通底している共通の要素が、かろうじてこの展のテーマによって発掘されて結びついている。た、だその良い意味での自由さというか、悪く言えばとりとめのなさというか、それが横溢している空間がなぜか心地よかった。一種の現実逃避として機能したからだろうか*1。美術館に行く際にスマホを家に置き忘れてしまったことは関係あるのだろうか。もとい、政治や国際情勢や異常気象など、真っ当に生きていれば不安でしかいられず、将来に希望を持てる状況ではない中で、そういった価値基準から一切解き放たれたランダムな情報が、アートという洗練された形で存在している空間は、普通の生活では決して得られない何かを提供してくれたのかもしれない。

東京現代美術館は、その建物自体や、その周辺の環境も、また当日に限り出入り自由というシステムも非常によかった。建物自体がそれなりに予算を使って建てられたものと思われ、天井も高く非日常感を高めてくれる。また、建物自体に出入り口があちこちにあり、周辺の木場公園とシームレスに繋がっている感もよかった。一度チケットを買ってしまえば出入り自由ということもあり、疲れたら途中でふらっと美術館を出て、公園を散歩することもできる。外界と隔絶された環境というのはやはり息苦しいし、あまり人間本位に作られているものではないと感じられるが、現代美術館はその辺りしっかり作られていると感じた。

*1:というと身も蓋もないのだが

記憶力がなくなることが不安過ぎる

最近、自分の脳みそで起こっている「ブレインフォグ」的な状態による不安が強い。

普通に生活している分には問題ないのだが、眠くなったりするととにかく記憶力がほぼ失われる。だから、当然布団に入って考え事をしようとしてもうまくいかない。半分夢を見ているようでありながら、その一瞬前の記憶がかき消される、といった具合だ。がんばって覚えていようとしても、消える、といった状況で、なんとも恐ろしい。

前述の通り、覚醒状態にあれば大して問題はないので、日常生活ではこの恐怖から目を逸して生きていけるのだが、一人になって夜布団に入ると不安が押し寄せてくる。

例えば自分が70代以上ならある程度諦めが付きそうな気もするが、まだ40代半ばなのだ。真面目にそうなったときにどう周囲に伝える(伝えてどうなるのかはわからないが…)かは考えておいたほうがいいのかもしれない。