寒雷やびりりびりりと真夜の玻璃

っていう俳句を、中学の頃だったか教科書で見た記憶が。ちなみに玻璃ってのはガラスのことらしいから多分窓ガラスを意味するんだろう。
うちの部屋は今リアルでそんな感じ。

俳句といえば、Xmasは過ぎてしまったけどこんなのをこないだ発見した。

ヘッドライトに老人浮かぶ聖夜かな

「聖夜」に「老人」と来たら当然例の白髭で赤い服を着た恰幅のよいおじいさんなんですけどね。
さて、この句で描かれている、クリスマスの夜に車のヘッドライトに照らし出された「老人」は果たしてどんな老人だったのか?さまざまに想像をめぐらせられるのがまずこの俳句の楽しいところだと思います。
実際のところ、髭を剃ることもできずにぼうぼうに伸ばしっぱなしにしているホームレスが、生活のために大きな袋を抱えて歩いている姿をイメージするのが近いかもしれませんね。
煌びやかなデコレーションで飾りつけられ、クリスマスを祝う街の中で、車のヘッドライトは露骨な現実を実に皮肉な形で照らし出したということなのでしょう。
ヘッドライトに人間が照らし出されるという状況は、『危険』のイメージと結びつきますが、そんな危険を孕んだ状況を背景にしたのも作者の技ということでしょうか。