『リョーマ!』を観た(2)※ネタバレ含む

タイトルは(2)だが、あれから3回鑑賞した。初回に感じたことは前回の記事にも書いたけど、とにかく満足度が高いと感じた。やはり日本人だし、ミュージカルは好きなんだ。もう一回観てもいいな、と思って、同じく『リョーマ!』にハマった配偶者と、もう一度観た。その過程で、少しずつテニプリを履修していった。ライバル校やそのメンバーも、少しずつ把握できるようになってきた。2回ともgloryだったので、次はdecideを観た。ああ、幸村はやっぱり「ボウヤ」呼びなんだ。そして、手塚部長の言葉は跡部様の熱い回答とはまた違った角度からの、素晴らしいアドバイスだった。映画のストーリーは完全に把握して、しっかり味わえるようになっていたから、最後の『世界を敵に回しても』は胸が苦しい程にいっぱいになって、涙なしでは見れないシーンになっていた。もう一度gloryが観たくなって、もう一回観た。映画を観る前には、何が起こっているのかもわからず、ただ笑っていた冒頭のシーンは、実際には原作のラストバトルである全国大会決勝戦のシングルス1の試合だった。それを知った後には、そこで描かれている試合の余りの重たさと、そのドラマに、ただ打ちのめされるしかなかった。履修したおかげで、エンドロールで流れる40枚?の美しいポストカードで描かれている登場人物もわかるようになり、同時にそのイラストに込められたドラマを知った。イラストを観ることは、一遍のショートショートを読んでいるのと同じだった。

気づくと、不思議と、映画の全てのシーンが最初とは全く違った姿を見せて立ち上がっていた。不良との賭けテニスも、南次郎の最初の練習試合も、エメラルドとの出会いも、マフィアから逃げるシーンも、教会のシーンも、当然、電話のシーンも、エメラルドとの試合も。ミュージカルの楽曲も、歌も、CGで描かれた登場人物たちも、セリフも、話の展開も。最初は退屈に思えたり、あまり集中せずに観ていたところもあったはずだ。それなのに、今やそのどれもが心をじんわり満たしてくれる。

前回のブログ記事では、本編よりもキャラソンメドレーのMVが流れるテニフェスプチが心に刺さったと書いたと思う。実際、テニフェスプチもまた、何度観ても素晴らしい。これだけで料金払う価値があるといっても過言ではない。しかし、自分は何もわかっていなかった。いや、一度観ただけでほぼミリしら状態だった自分がわかるはずもなかった。映画本編を、自分がようやく理解できるようになってきた。ただそれだけだ。

誘拐された桜乃を単身乗り込んで取り返しにいくリョーマ、ギャング二人から追われても桜乃を全力で守るリョーマ、窮地に陥って悩んだときのライバル達からの言葉を受けて自ら突破口を開きに行くリョーマ、そして汚い陰謀を見事に解決するリョーマ、そして全盛期の父親との一騎打ちに臨むリョーマ。そして、そんなリョーマを時空を超えて応援する青学の仲間たち、そして全国で戦った好敵手たち。紛う方なく、これは一人の男の、人生のドラマなのだ。

まだ自分には上手く言葉で表すことはできない。全てが心に沁み入るエモさなんよ、とただ嘆息するほかない。おそらくもう何回か、『リョーマ!』に関する記事を書くと思うから、もう少し冷静に客観的に分析できるようになる時まで、それは残しておきたいと思う。